不思議な国、シンガポール

リー・クアン・ユーの葬列者が多く集まって、雨の日の中ずっとご冥福を祈っていたシーンはまだ記憶に新しいです。(なんせ2年前)

 

リー・クアン・ユーって誰やねんって人も多いハズ。

 

電マ先生の世界史☆ ~シンガポール編~

実は、シンガポールの歴史は言うて50年程度しかないんです。ただシンガポール建国以前から説明しないと多分追いつけないので、200年前のことから話します。(でも日本より全然短い。)

 

元はマレーシアの領土の一部でした。

 

マレー半島の端っこに位置するという地理的条件で港に船はよく寄港していたとかなんとか。

 

1819年1月にイギリス東インド会社の当時書記官であったトーマス・ラッフルズがここに来ます。そして思うのです。

 

「あ、ここええなぁ。」

 

やはり貿易会社としては地理的条件上優位なシンガポールに商館を置くことは素晴らしい利益を生み出すと考えたのです。

よって翌日2月に当時シンガポールを統治していたジョホール王国に「建設していっすか」という許可申請を出します。んでもって「おけまる」と言われたので商館を建設しました。この時に名前も「英国風にシンガポールにしちゃおうぜ?」っていうことで「シンガポール」にしたそうです。

 

しかしその後は植民地支配下に入れられました。日本もシンガポールを植民地支配していました。しかし終戦時はイギリス領でした。しかしこの時からシンガポールの人々はこう思っていたわけです。

 

「独立してぇ...」(ハスハス

 

そんな国民の頑張りもあり、1957年にマレーシア連邦として独立。しかし直後からマレーシアと現シンガポール領の人々の中で内部亀裂が発生し、関係は悪化するばかりという...

そして最終的には当時マレーシア連邦の首相であったラーマン首相が「あ、こりゃ関係性を復活すんの無理やな」と判断し、追放という形でシンガポールが出来たとさ。そして、このとき独立を国民に訴える映像で涙を流していたのがあのリー・クアン・ユーなのです。

 

はい。もうお分かりでしょう。リー・クアン・ユーって誰やねんと。その答えはシンガポールを建国した第一人者」ということです。

 

さて、想像してみてください。シンガポールってどういうイメージがありますか?

僕は「キレイでゴミひとつ落ちてない街」というのが率直なイメージです。

でも実は、これ、法律で出来てるんです。

ガム、痰を吐く。路上にゴミを捨てる。すべて罰金扱いの法律に引っかかります。

 

えええええええそんなんまで法律で決まっとんのォォ?!?!

っと思ったそこのあなた。何故かわかりますか?

それは、シンガポール独立国家だからです。

要するに、人々は今までリー・クアン・ユーの言うことをちゃんと聞いてきながら生活してきたっちゅー意味です。

んでもって、独立国家なもんですから法律とかも作り放題なわけです。すごい極端で究極的な言い方ですけど。だから色々客観的に見て「厳しいなぁ」って思う法律もバンバンあるわけですね。

 

さて、まぁでも色々マーライオンとかマリーナ・ベイ・サンズとか回って思うことがあるんです。

シンガポールって、独自の文化無くね?

考えてみればですね、シンガポールっていうのは多民族&多宗教文化が根強い国なんですよ。チャイナタウンやアラブストリート、確かに喧嘩が起きないように少し離れた場所に位置していますが、それでも他の公共の場でそういう違いから争いが起きたところを僕は見たことがありません。

「言われてみれば...」って人も多いと思います。実際に、シンガポールはマレー系の人が多いので、「あ、ベースはマレー系なのかな」と思ったとしてもマレー系っていうのは元はマレーシアから来た文化なので、自国文化とか当然言えません。

シンガポールというのは色んな国のイノベーションを吸収しまくって構成している国なのです。しかし逆に言えばこれは「パクリに頼ってきた国」と言ってもいいです。

パクリは起きるとどうなるか。オフィシャルにパクったら特に相手国からの反感を買うことはないでしょうけど、クオリティは下がるのが普通です。しかしシンガポールはそれで数値的にも世界に対抗できる素晴らしい国になっています。

リー・クアン・ユーは当時から他国に頼らざるを得ないと感じ、この状況を見据えた上でイノベーションを開花させた。ほんと、最強の男ですわ。

 

まとめます。

シンガポールはとてもすごい国です。色んな意味で面白い国です。厳しい法律の裏側にはリー・クアン・ユーの考えたすごい未来のシンガポールがあったのです。

現在の首相はリー・クアン・ユーの息子さんである、リー・シェンロンとかいう願い事叶えてくれそうな人です。彼はマリーナ・ベイ・サンズにリー・クアン・ユーの反対意見を押しのけて24時間営業の「カジノ」を作った人です。実際カジノは本当に治安が悪くなる元とも言われていますが、作れば国の収入は一気に安定する博打みたいなものです。(実際日本カジノ問題は治安とお金のバランスの問題になって進んでいない)

しかしシンガポール、マリーナ・ベイ・サンズ周辺は特に「治安が悪そうだな」と思うような雰囲気や環境ではなく、逆に「あーすごいキレイ。泊まりたい」っていう印象でした。これも独裁政治による法律と整備のおかげなのではないのでしょうか。

50年でこの成長を遂げたシンガポール。行く価値は大いにあると思います。